ウクライナの貿易統計データによると、2023年にウクライナが日本から輸入した総額は9億828万ドルとのこと。では、実際にウクライナの街角やインターネットでどのような日本製品が売られているのでしょうか。
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ウクライナの貿易統計データによると、2023年にウクライナが日本から輸入した総額は9億828万ドルとのこと。では、実際にウクライナの街角やインターネットでどのような日本製品が売られているのでしょうか。
ウクライナの首都キーウに拠点を置く我々JoinJapanが、これまでウクライナで見かけた日本製品について、本記事でまとめてみました。
※食品については「ウクライナで見かける日本の食材」ですでにまとめてありますので、そちらをご覧ください。
2023年にウクライナが日本から輸入した品目の第一位は自動車などの陸上交通車両。金額では6億1139万ドルと、輸入額の67.3%を占め、圧倒的です。
ウクライナの街角を見ると気づくことは日本車の多さ。他のヨーロッパ諸国でも日本車は走っていますが、ウクライナほどではありません。体感で、ウクライナで走る車の30%ほどは日本車ではないでしょうか。
ウクライナでは自動車製造産業が壊滅状態であり、乗用車のほぼすべてを輸入に頼っています。その中で、日本車は新車および中古車の両方で存在感があります。
ウクライナ自動車製造者協会の発表によると、2023年の1年間でのウクライナでの新車販売台数のメーカー別1位はトヨタで10197台であり、これは2位のルノーの5790台に比べて圧倒的なトップ。また、日本勢では8位にスズキが、9位にマツダ、10位に日産がランクインしました。
中古車は2023年には21万4400台の輸入があり、車種別ランキングでは5位に日産のリーフが(EV中古車ランキングでは1位)、7位に日産Qashqaiが入りました。
日本製の紙おむつの品質の良さは海外で広く認知されています。ウクライナでもある程度大きなベビー用品店や大きなスーパー、ドラッグストアに行くと、日本製の紙おむつが売られているのを見ることができます。
主に大王製紙(エリエール)のグーン(GOO.N)と、花王のメリーズがよく売られています。ウクライナで製造はされておらず、近隣諸国からの輸入品となります。価格はHuggies(ハギーズ)やPampers(パンパース)などの国際ブランドと比べて1.5倍から2倍は高いですが、それでも需要はあるようです。
ユニ・チャームのMoony(ムーニー)は、ウクライナでも販売されているようですが、店頭などではあまり見る機会がありません。
日本製文具はその品質の良さから海外で人気ですが、ウクライナにもその波は届いています。ウクライナの大手の文房具店では、Pilot(パイロット)のボールペンや、サクラクレパスの画材が販売されているのを見ることができます。
大阪に本社を置き、衛生用品を製造・販売するサラヤ(Saraya)の医療用手袋をウクライナの大手ホームセンターで見かけることができます。サラヤはウクライナで法人を立ち上げ、オンラインショップを運営しています。そこでは、手洗い石鹸や洗顔フォーム、歯ブラシ、ボディーソープ、洗濯洗剤、シャンプーなどが販売されています。
YAMAHA(ヤマハ)の楽器ショップをウクライナで見ることができます。ギターやピアノ、スピーカーなどが販売されています。ウクライナでもYAMAHAブランドは認知されており、高いクオリティーで有名です。
MAKITA(マキタ)の電動工具がホームセンターなどで販売されているほか、街中でもMAKITAの看板を構えた販売・修理ショップを見かけることができます。高いクオリティーで人気ではありますが、近年はウクライナの地場メーカー(主な製造は中国)の成長が著しく、MAKITAは押され気味な印象です。なお、MAKITAはウクライナに法人も立ち上げています。
ウクライナにはキャノン、パナソニック、富士フィルムがそれぞれ現地法人を構えています。家電量販店のカメラコーナーでこれらメーカーのものをよく見かけることができます。
ウクライナでは昔は日本製テレビが人気でしたが、ここ10-20年、韓国および中国製に圧倒されています。家電量販店ではサムスンやLG、中国メーカーがほとんどであり、ソニーのテレビは数台だけ置かれているのがよくあるケースです。
パナソニックの乾電池が、ウクライナ市場で一定のシェアを長年確保しています。
オフィス機器(OA機器)では、コニカミノルタがウクライナに法人を構えており、主にネットを通じて販売・サービスを提供しています。
ウクライナではヨーロッパメーカーのタイヤが幅を利かせていますが、日本製ではBridgestone(ブリヂストン)のタイヤを、カー用品店などで見ることができます。
現在、ウクライナでは韓国製の化粧品が大人気に。小さなドラッグストアでも韓国製の物を取り扱うようになりました。日本製の化粧品はその一角に紛れて、時たま見ることがあります。
ウクライナで人気の日本製品について本記事では深掘りしました。もし今後、ウクライナへの製品販売をご検討の日本メーカー様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に我々JoinJapanまでお気軽にお問い合わせください。